あのとりブログ

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嫌な記憶を思い出す。機能脳科学でトラウマを消す方法とは?

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ふと「嫌な思い出」がよみがえってくることありませんか?

 

 過去の失恋や仕事の失敗、対人関係で傷つけられた言葉。この嫌な気持ちが急によみがえってくると、また落ち込んでしまったり対象人物に怒りを覚えることってありますよね。

 

 ただ、「本来はマイナスの出来事の記憶は、人間から生きる力を奪うものではない」と語る認知科学者がいます。それが、苫米地英人氏です。著者は、カーネギーメロン大学で人工知能の学び、自己啓発本を過去に多数出版しているかたです。

 

 そんな著者が、機能脳科学の見地から「過去のイヤな気持ちを消す技術」を教授してくれています。イヤな思い出を消せるなんて夢みたいですね。

 

それでは、さっそく本編にはいっていきましょう!

 

【元ネタ本】 

「イヤな気持ち」を消す技術

「イヤな気持ち」を消す技術

 

 

 

 なぜ嫌な記憶を思い出すのか?

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そもそも、なぜ嫌な思い出がフラッシュバックされるのか?

 

この結論から言いますと、「生物が生きながらえるための必要な能力」だからです。

 

 現代は、不慮の事故以外で命を「他の動物」や「他人に奪われる」ことなんて、日常生活を過ごすうえでほとんどないですよね。ちなみに、殺人事件に巻き込まれる確率は、一生のうちで0.059%というデータがあります。

 

 マスメディアが、殺人事件をこぞって報道し頻繁に目にする関係から「最近は物騒だな」と思ってしまいます。本当は、毎年の事件発生数は多少の増減はありますが、殆ど変わりません。

 

 しかし、もっと昔は治安や食料問題から常に命の危険性がありました。その回避能力として、「嫌な記憶を繰り返すこと」で生存率をあげてきたのが「ヒト」だと著者は語ります。

 

つまりは、動物的本能ということです!

 

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ー嫌な記憶は増幅させて記憶される

 

記憶は脳の「海馬」と「扁桃体」が大きく関係しています。

 

 簡単にご説明しますと、「嫌な出来事=命に関わる出来事か」この判断を扁桃体という脳の部位でしています。そこで、扁桃体が海馬に「これは重要!」とシグナルを出して、海馬がそのシグナルを元に長期記憶を貯蔵する側頭葉に保存していきます。

 

 この記憶をするときに、記憶と感情は一緒になって保存します。ですので、ヒトは感情が伴ったほうが記憶として残りやすい構造となっています。「楽しいことを思い出して」と言われたらイメージと気持ちが一緒に湧いて出てきますよね。

 

 つまり、悲しい出来事であればあるほどに「記憶」として強く残っていきます。それを、定期的にフラッシュバックさせることで、「二度とあんな思いをしないでね!」という脳からの注意喚起が「嫌な記憶を思い出す」というわけです。

  

ちなみに長期記憶とはバラバラで、断片的な記憶の結合だと著者は語ります。

 

 側頭葉から記憶を引っ張り出していく過程で、断片的な記憶同士を都合の良いように結びつけて思い出させます。よって、記憶とは信憑性が極めて低い情報です。時系列に関係なく、重要度によって書き換えられているのが記憶だからです。

 

そもそも、記憶そのものが「嘘をつく」ということは知っておきたいポイントですね!

 

 トラウマを消す2つの方法

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トラウマを消すことができる?

 

 人間が過去の過酷な体験をトラウマ化させてしまうのは、これまで述べてきたように、扁桃体と海馬という記憶を司る部位が、出来事を大袈裟に記憶することが原因でしたよね。

 

それならば、鈍感にしてしまえば良いという著者の提案です!

 

鈍感にする方法は2つあります。

 

ーー1.慣れる

 

1つ目の「慣れる」ことです。これは言葉の通りで、同じ体験に慣れてしまう方法です。

 

  もっともいじめに慣れるということは出来ないので、子どもを転校させることが1番良い方法なのは間違いありません。

 

 過酷な体験の記憶を蘇らせなくさせる方法は、同じ体験がイヤなことではないという認識できるようにしてあげることです。そうすれば「辛い記憶」や「悲しい記憶」は、引っ張り出されても感情を増幅されずに小さくなっていきます。

 

 単純にイヤなことに慣れてしまえば良いと著者は語ります。これを、心理学では「恐怖突入」と呼びます。

 

  たしかに、最初は怖かったけど何度もやるうちに恐怖に慣れてきますよね!

 

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ーー2.前頭前野側を介入させる

 

2つの目は、前頭前野側からの介入させる方法です。

 

 脳には、階層性があります。階層性というと難しい言葉ですが、身近なものに置きかえるとわりと簡単に理解できます。

 

 たとえば、目の前に草があり土があり、虫がいる。これが抽象度の低い古い脳が認識する世界。もう1つが陸があり、川があり、海があり、空があるようなことを抽象度が高い認識となります。

 

 物事をズームして見るか、引いて見るかの違いですね!「俯瞰力」とも「客観視」とも言い換えることができます。このズームして物事を見てしまうのは古い脳が原因です。つまり、新しい脳である前頭前野を介入するというのは、引いて物事を見る能力です。

 

宇宙規模で物事を考えたら、自分の悩みの小ささに気づくという理屈ですね!

 

【宇宙の大きさを体感できる動画】

www.youtube.com

 

 過去が未来を制約することはない

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時間は未来から過去に流れている?

 

 私たちは、過去の積み重ねが現在を作っているように感じます。たしかに、この理屈を理解するのは簡単ですが、未来から過去に時間が流れているという考えかたも面白いです!

 

著者はこのような意見を語っています。

 

【本書抜粋】

 今、あなたが辛い記憶、悲しい記憶に囚われて悩んでいるとしても、それはたいしたことではありません。その記憶に刻まれた出来事は過去のことであり、過去はどんどん遠ざかっていくばかりで、二度とやってはきません。

 

時間というのは、未来から過去へと流れています。

 

 時間は過去から未来へ向かって流れていくものと考えている人が多いのですが、実際はその逆です。未来は時間がたつと現在になり、現在は時間がたつと過去になり、過去はさらに遠い過去になっていきます。(P80)

 

面白い考え方ですよね!

 

 僕の個人的な見解ですと、努力したことは過去の積み重ねだと考えて、イヤな出来事は未来から過去に流れていき、その体験はどんどん遠ざかっていくという考え方がおすすめです。

 

なぜなら、良いとこ取りの考え方だからです!(・ω<) てへぺろw

 

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ーー何事も自己責任だと考えれば成長できる? 

 

 人がもっとも早いスピードで成長できる方法は、出来事すべてを「自己責任」と認識することができる思考です。

 

 他人のミスでとばっちりを受けても、自己責任の部分を追求して改善策を考えることが出来たら、格段に成長スピードは上がりますよね!

 

 コーチングの世界でも、自己責任だと考えている人間はうつ病になりにくいと著者は語ります。それは、自己責任と認識し行動している人間は、解決の難しい課題も逃げないで問題に取り組もうとするからです。

 

もちろん個人差もありますし、出来事の重要度や捉え方は人それぞれです。

 

 この世に「絶対に正しい」という方法は存在しませんが、いろんな考え方に触れてみて自分の固定概念を持たないことは重要だと思います。価値観や考え方は、自分が良いと思っても他人が良いと思うかは別問題です。

 

色々な考えかたや、色々な人がいるから面白くもあり辛くもあるのでしょうね! 

 

 まとめ

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・感情を伴う出来事は長期記憶となり、記憶は嘘をつく。

 

・トラウマを消す方法は2つある。

 

・時間は未来から過去に流れているという思考。

 

いかがだったでしょうか?

 

 なかなかトラウマを消すことは簡単ではないと思いますが、その出来事はどんどん過去へと遠ざかっています。つまり、物事の捉え方も自分次第で変わるということです。ぜひ「嫌な記憶」で苦しんでいる方は本書を手に取ってみてくださいね!