アマゾンの「スピード」と「7つの基本ルール」とは?
Amazonと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
アレクサやなんでも売っているECサイトというイメージが強い「Amazon」ですが、2000年当時は「ネット書店」と呼ばれていました。というのも、もとは和書や洋書取り扱う本屋さんだったのです。
最近、僕はAmazonで「A1954のiPad用キーボードケース」を購入しました。
本当はリアル店舗で、キーボードの具合やカバーケースの質感など吟味したかったのですが、ヤマダ電気で「取り扱いがない」と言われてしまいました。合わせて、スマートプラグも取り扱いがないと言われましたね。
そこで、Amazonで購入。注文確定したのが前日の13時ごろで、商品が手元に届いたのは次の日の午前中。「はやい・・・はやすぎるw」結果的には、商品も良くて大満足でした!
このAmazonのサービスシステムやスピード感が気になり手に取ったのが、佐藤将之氏の著作である「アマゾンのすごいルール」です。
それでは、さっそくAmazonの「秘密」に迫ってみましょう!
【元ネタ本】
アマゾンの意思決定スピード
投資額5,000万円のプロジェクトを一瞬で決める?
アマゾンの本社はアメリカ・シアトルにあります。
日本企業と違いアマゾンの組織編成はシンプルです。CEOにジェフ・ベゾス、その下に各部門の決裁者であるSVP(シニア・ヴァイス・プレジデント)がいて、その下に世界各国にVP(ヴァイス・プレジデント)が数十人いるという縦割り組織です。
一般的にはピラミッド式ですよね!この縦割り組織が、社内の風通しの良さを実現しています。
どのくらい凄いかと言いますと、著者が在席したオペレーション部門のとき、倉庫に関わる、あるプロジェクトをどうしても通したいと思ったことがあったそうです。投資額は5,000万円だったそうで、なかなかのプロジェクトですよね。
まず上司のジェフ・ハヤシダ氏に相談したら「基本OK!」という即答。著者は会議でシアトルに行っていたタイミングだったので、「決裁者であるVPに直接話をしちゃっていいですか?」と聞いたところ「いいよ!」との2つ返事。
ここから本書抜粋して見てみましょう!
【本書抜粋】
私はシアトルで見かけたSVPに駆け寄りました。
そして、「実はこのようなプロジェクトをやろうとしているのですが・・・」という話をしたのです。
「いくらかかるの?」
「5,000万円ぐらいです」
するとこのような質問をされます。
「マサ(私はそう呼ばれていました)、なぜそれが必要だと思うのか?」
私は答えました。
「〇〇や××といった成果を挙げられるからです。当然やるべきだと思います。」すると、SVPはその場で「OK、いいよ」と答え、即日承認の手続きを進めてもらえたのです。(P26)
もちろん、提案内容が素晴らしかったのもあると思います。しかし、5,000万円のプロジェクトをすぐに決断し行動に移すアマゾンの組織体制は、日本企業にはない特徴ですよね。
一般企業の場合は、何個ハンコを書類に押してもらう必要があるでしょうか。
この意思決定のスピード感には「ある理由」がありました。
ーアマゾニアンをアマゾニアンと、たらしめる独自ルール
アマゾンの従業員たちは、アマゾンの実現したい未来に共感し、入社しています。この会社で働く「喜び」と「誇り」を感じ、「アマゾニアン」と自称すると社員がほとんどだと著者は語ります。
世界各国に拠点を持つ巨大組織でありながら、世界中のアマゾニアン一人ひとりが「お客様のために何ができるか?」という視点で、シンプルに物事を考え、実行していきます。
では、なぜ一人ひとりのそのような自律的行動が可能なのでしょうか?
それは独自の「基本ルール」、すなわち考え方や仕組みが存在するからです。
【7つの基本ルール】
1.基本理念の浸透
2.リーダーシップの概念
3.人材採用の方法
4.人事評価のしかた
5.目標達成や生産性の向上の仕組み
6.アイデアを生み出す方式
7.コミュニケーションの基本的考え
この7つの基本ルールをベースにファンを獲得していきます。驚くべきことは、アマゾン社内ではよく「アマゾンで最も買い物をするカスタマーはアマゾン社員である」と言われているそうです。
働く社員はアマゾンが大好きで、素晴らしさや便利さを知っているからこそサービスを利用すると著者は語ります。
つまり、アマゾニアンたちは皆、アマゾンファンということですね!
F1を走らせながら修理して、しかもチューンナップする会社
アマゾンの急成長ぶりを知っていましたか?
アマゾンの2017年の売上高は前期比より30.8%増の1778億6,600万ドルです。
日本円に換算しますと、19兆9209億9200万円です。この売上高がどのくらいすごいかと言いますと、日本企業で唯一売上高だけで判断すると「トヨタ」のみが勝っています。
アマゾンという会社は、わずか20年ほどの間でここまで急速に成長してきた企業です。そして、今もなお成長し続けている世界を代表する企業です。
アマゾンのアップデートは、絶えず行われていると著者は語ります。
正式な数字は著者も知らないそうですが、年間で何千、何万というアップデートを行なっているそうです。しかも、お客様にできる限り迷惑をかけないよう、現状のシステムを稼働させながらのアップデートです。
現在アマゾンジャパンの社長を勤めているジェフ・ハヤシダはアマゾンという会社をこのように説明するそうです。
「アマゾンはF1を走らせながら修理して、しかもチューンナップする会社です」
立ち止まるどころか、走りながら修理して、しかもアップデートまでしてしまう。そんな会社がアマゾンなのです!
ーー「瞬間物質転送装置」のある世界を夢みて
著者はよく、仲間と共に「ジェフ・ベゾスはどんな未来を夢見ているのだろうか」と話したそうです。そういった話の中で出てきた結論の1つが「要するに『瞬間物質転送装置』のある世界なんじゃないか」ということだと語っています。
ジェフ・ベゾスの夢みている世界は、ふと「炭酸水が飲みたいな」と思った瞬間、アマゾンの倉庫から炭酸水が移動して、あなたの目の前に現れる。こんな世界ではないかと著者は語ります。
冒頭でも話した僕のキーボードが届くスピードでは、アマゾンはまだまだ遅いと考えているということですね。このスピード感は、商品を届けるだけでなく企業の成長スピード、意思決定のスピードもどれもF1並みだということです。
アレクサもたぶん驚異的なスピードで進化すると思います。今後、どんな未来が待っているのか今から楽しみですね!
また「基本ルール7つ」この詳細を記事にしたいと考えましたが、それを書いたら一冊の本になってしまいますw 本書のさわりだけでこの驚きの内容でした。ぜひ、詳しく知りたい方は本書をお手に取ってみて下さいね!
まとめ
・プロジェクトのGOサインは早い。
・アマゾンには基本ルールが7つある。
・ベゾスの夢見る未来は想像を超えている。
いかがだったでしょうか?
アマゾンのスピード感は驚異的ですよね。ここから学べることは、自分の意思決定のスピードをあげる必要性があることだと思います。いつまでも決断しないで悩むより、すぐに行動に移すことが成長に繋がるのかもしれませんね!