あのとりブログ

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ミスが多い。失敗学から学ぶミスしない対策とは?

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ミスが多い人とミスが少ない人にどんな違いがあるのか?

 

ミスは誰でもしてしまうものです。

 

  そして、ミスをしたくてしている人は一人もいません。新人や初めてのことを取り組むとき、ミスして当たり前です。落ち込むことでもないですし、悲観的になる必要もありません。

 

しかし、この世の中には「なぜかミスをしない人」もいますよね。

 

 そこで、この謎を紐解いてくれるのは、東京大学院教授の中尾政之氏です。ミスを未然に防ぐ方法や、同じミスを繰り返さない具体的な方法を東大教授に教えていただきましょう。

 

 【元ネタ本】

なぜかミスをしない人の思考法 (知的生きかた文庫)

なぜかミスをしない人の思考法 (知的生きかた文庫)

 

 

 

 ミスが多いことを防ぐ「失敗学」

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あなたはハインリッヒの法則をご存知ですか?

 

 ハインリッヒの法則とは「1件の重大災害の裏には29件のかすり傷程度の軽災害があり、さらにその裏にはヒヤリとした300件の体験がある」とアメリカの損害保険会社の調査副部長をしていた、ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒの論文からこの法則が見つかりました。

 

このハインリッヒの調査は労災5,000件にもおよぶ調査と分析した体験則です。

 

 また「人間は必ずミスをする動物である」著者は語ります。そもそも、人間は同じような失敗を繰り返す動物であり、これを学問で「失敗学」と呼ばれています。

  

それぐらい誰でもミスは起こします。

 

  ミスが多いと悩んでいる方は、あなただけがミスが多いのではなく、それなりにみんなミスをしているという事です。

 

ですので、深く考えこむ必要はありません。

 

 ミスが少ない人の共通点

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ミスが少ない人にはどのような共通点があるのでしょうか?

 

それは、失敗から学んでいるか否かです。

 

「愚者は体験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を一度は聞いたことあるかと思います。この言葉は、初代ドイツ帝国宰相であるオットー・フォン・ビスマルクによって広まった言葉です。

 

この言葉から、他人のミスからも学べるという事です。ミスを少なくするには、この心構えが大切となります。

 

 そこで、類似失敗の共通点を見つけ出すことが「失敗の本質」を見つけだす鍵となるのですが、その鍵とは「ホウ・レン・ソウ」だと著者は語ります。

 

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ーやっぱり基本は「ホウ・レン・ソウ」

 

「人間は良い報告ほど早く伝えたがり、悪い報告は遅らせがちになる」

 

これが、失敗したときの人間の心理です。

 

  嫌な報告はどうしても後ろめたくなりますよね。しかし、被害を最小限に抑えるのは自体を適切に把握し、報告、連絡、相談することが重要です。どのみち隠してもバレるので、素直に非を認めて次回に活かせば良いと著者は語ります。

 

ここでやってはいけない行動は「他人のせい」にする行為です。

 

それはなぜか?

 

 自分が悪いと考えていれば、即座に対策を考えることができるからです。環境や他人のせいにする人は、ワンテンポ対処が遅れてしまいます。

 

  つまり、失敗が「ただの失敗」にしかならなく、なおかつ「重大なミス」に繋がっていく要因を自分で作ってしまうからです。

  

 失敗の三悪とは

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あなたは失敗の三悪をご存知ですか?

 

それは「無知」「無視」「過信」です。

 

 著者は、以前に42人のエンジニアを集めて心理分析をしました。全部で221件のミスのうち「無知は35%」「無視は9%」「過信は17%」総計の61%が失敗の三悪人が原因だったと報告しています。

 

 つまり、逆説から考えて「三悪人」を常に意識しているだけで、今より61%もミスが少なくなるということです。

 

ーーコストよりも「信用」を優先

 

どんなに優秀な人でも「ミス」や「トラブル」は必ずあります。

 

  そして、失敗を前にした時に後手に回ってしまった場合の「ロスは2倍」だと著者の実験から判明しています。ミスを起こしたときのスピードがどれだけ大事かを「松下電器」の事案を例にしてみます。

 

松下電気は過去に石油暖房機で一酸化中毒トラブルがあり、小学生の死亡事故を起こしました。

 

 そこで、すぐに中村邦夫社長は「5万円で買い取るか無償で直します。最後の1台まで見つける。何年かかろうともやります」そう宣言した時、本気度が伝わり反対に評価されたのです。

 

どんな場面でも素直に失敗を認め、すぐに対処する事が合理的であり理想な対処です。

 

  ポイントはミスをしたら「信頼優先」に行動する。信頼と信用はお金では買えません。

 

 人任せをやめればミスが激減

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重大なミスを起こすときの心理状況はどんなときか?

 

 それは「ミスなんてあり得ない」「失敗は起こり得ない」と考えている時に重大なミスは起こります。

 

 ミスを減らすには「ミスは常に起こり得るもの」そう考える習慣が大切だと著者は語ります。周囲も思い込みやヒューマンエラーをより減らすには「もっと注意しろ」と怒鳴るのではなく具体的なシステム構築が必要となります。

 

常に最悪の状況を先手で考える必要性。

 

 システム構築と改善を繰り返すトヨタ方式は人任せにしない事前対策の成功モデルでしょう。生産性をあげたいチームは「トヨタ方式」を知っておくと良いかもしれませんね。

 

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ーー失敗にも慣性の法則が働く

 

人間は良くも悪くもメンツで生きている動物です。

 

 現に人から非難や否定、批判をされる事をとても嫌がります。しかし、この「メンツ」が失敗に拍車をかけると著者は語ります。

 

 例えば、新規プロジェクトに莫大な費用と時間を投資していたと仮定します。通常、3年連続で赤字となる結果は惨敗だと清く認めてすぐに撤退が正解の判断となります。

 

 ですが、責任問題やメンツを守るため、やめたいのにやめる事ができないという負のサイクルにハマる企業は多いです。「意地」や「決めた事は守る」など、頑なに曲げない事が本当に合理的判断なのでしょうか?

 

ヒトは感情の動物ですので、感情が優先されてしまいがちです。

 

  役職者のメンツの為に、ダメだと分かっていながら続けることが「ビジネスの本質なのか」これを自問する癖は必要だと思います。Googleは感情論を嫌う企業の代表格です。

 

 ちなみに、ユニクロもソフトバンクもダメだと判断したらすぐ撤退しています。関連記事をリンク付けしておいたので、合わせて読んでみてくださいね!

 

 まとめ

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・重大なインシデントにはハインリッヒの法則がある。

 

・ ミスが少ない人は「他人のミス」からも学んでいる。

 

・ミスの三悪とは「無知」「無視」「過信」である。

 

・失敗には慣性の法則が働いて重大インシデントになる。

 

いかがだったでしょうか?

 

 常識の8割は正しい。しかし2割は間違えている。これを認識し意識化にする事の大切を中尾氏は終始語っていました。ミスの本質を知るにはオススメの一冊となります。