あのとりブログ

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【心理学】たったこれだけ!意思が弱いのを克服する方法とは?

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昨日は我慢できたのに、なぜ今日は我慢できないの?

 

この謎を脳科学と心理学の知見から解説している著作があります。

 

 いま、あなた様がこの記事を読んでいる選択は、あなた様の意思決定の結果であり、これからどこまで読み進めるのかもあなた様の「意思決定」に左右されています。

 

 意思決定は自分の思考や信念に基づいておこなっていると思いがちですが、意識の外で自動的に起こる「こころの働き」に大きく影響受けることが、脳科学と心理学の研究からわかってきたと語る先生がいらっしゃいます。

 

 そのかたとは、障害科学博士であり、東北大学大学院医学系研究助教、ハーバード大学心理学科、京都大学こころの未来研究センター助教、平成27年に日本心理学会国際賞受賞など数々の経歴をお持ちの阿部修士氏です。

 

すごい経歴ですね。

 

 それでは、さっそく意思決定の謎と意思が弱いのを克服する方法を阿部氏に教えていただきましょう!

 

【元ネタ本】

意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策 (講談社選書メチエ)

意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策 (講談社選書メチエ)

 

 

 

 意思が弱い理由

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意思決定には様々な種類がある?

 

赤信行だから止まり、青信号だから進むといった行動も意思決定です。

 

 コンビニでおにぎりを選ぶことも、ケーキを食べたいけど我慢することも意思決定です。日常生活をしているうえで、私たちはこうした数々の選択をしていますよね。本著作は特に、情動的反応や直感的思考、欲求などの自制心に焦点をあてています。

 

 自制心とは、感情を理性でコントロールすることをさします。つまり、ダイエットの食事制限や怒鳴りたい気持ちをグッと抑えたりなど、感情をコントロールして意思を保とうとする脳の働きですね。

 

この理性と情動(感情)は対立し、スピードも違うと著者は語ります。

 

  たとえば、「ケーキが食べたい」(情動)は早い欲求ですが、比較的ゆっくりなのが「太るしな・・・やめとくか」という抑制(理性)が後からきます。

 

この働きを理解することで、「意思が弱い」を克服するポイントとなるのです!

 

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ーー二重課程理論とは?

 

 先ほども話した、理性と情動の二種類のこころのはたらきを想定する理論を「二重課程理論」と呼びます。

 

 情動は感情ですから自然と湧き上がってきますが、理性は集中力を使います。これを、メンタリストのDaiGo氏は「ウィルパワー」と呼んでいます。DaiGo氏も著作の中で集中力は消耗すると話していますが、著者も同様のことを語っています。

 

同時に理性にはキャパシティがありますので、そこを本書抜粋で見てみましょう!

 

【本書抜粋】

 システム2の大きな特徴の一つとして、注意力を要する心理過程を担うことが指摘されています。

 

 何か別のことに気をとられていると、うまく機能しません。言い換えると、システム2のキャパシティには明らかな限界が存在しているということです。

 

 一度に処理しきれる量には限界があるため、同時に複数の仕事を掛け持ちできないのです。(P24)

 

 本書抜粋の「システム2」とは制御的・合理的・論理的・努力を必要とする・長期的な利益を勘案するなどの「理性」のことを本書内ではシステム2と表現しています。

 

 つまり、「意思決定」とは情動と理性のふたつの心理状況が混ざり合って、決定しているということです。そして、理性は集中力を消費して、なおかつキャパにも限界があることが判明していると著者は語ります。

   

 意思の弱さは簡単に克服できる?

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とても簡単に誘惑に勝つ方法がある?

 

結論から言いますと、血中のブドウ糖です。

 

 どうゆうことか、ご説明しますと脳は体重の2%程度の重量にもかかわらず、カロリー全体の約20%を消費している臓器です。

 

ブドウ糖は脳にとって必須エネルギー源です。

 

ロイ・バウマイスターというアメリカの心理学者の実験で、自己制御を必要とする課題を行うことで、血中のブドウ糖が減少することが報告されています。

 

 つまり、「今日の服はこれだ!」など決断しているすべてのことに、ブドウ糖を消費しているということです。アップル元CEOの故スティーブ・ジョブズ氏に有名な話があります。

  

ーージョブズは「選択」を減らしていた

 

 ジョブズは、毎日同じ服を着ていました。アインシュタインも、毎日同じ服を着ていました。彼らが、科学的根拠を知ってアウトプットしていたかはわかりませんが、ただ「選択肢」つまりは「決断」する回数を極力減らして生活していました。

 

 その理由が、「意思の力=決断=集中力」はブドウ糖を消費しますから、1日をかけてどんどん弱まっていきます。そこで、重要でない選択に関しては無駄なブドウ糖を消費しないように、予め選択肢を無くしていたのです。

 

このことについて著者はこのように語っています。

 

【本書抜粋】

  さらに、この減少したブドウ糖の割合から、次に行う自己制御を必要とする課題パフォーマンスが低下することが予測できるとしています。

 

  きわめつけは、ブドウ糖が含まれた飲み物を補給することで、消耗の影響を回避できることを示したことです。

 

  ブドウ糖入りのレモネードを飲んだ実験参加者は、人工甘味料入りのレモネードを飲んだ参加者とは異なり、課題の正答率の低下がみられなかったというのです。(P28)

 

これは非常に興味深い内容でした。

 

 しかし、まだ結論を出すのは慎重さが必要だと著者は語ります。ただ、理性をともなう決断に「ブドウ糖を消費する」という報告は大きなインパクトを与えました。

 

  つまり、意思が弱い人の対処はとっても簡単です。ドラッグストアなどで売っている「ブドウ糖」タブレットを午後などに食べれば良いだけです。

 

もちろん、仕事にも使えます!

 

 決断しないといけないとき、集中力が欲しいときなどすべて「ブドウ糖」がガソリンです。僕も普段着る服は、すべてローテションしており選択はしていません。外食メニューも5秒で決めています。

 

 ダラダラと長時間かけて、「あー、どうしようかなー。」「あー、あれもやらなきゃ」など、複数のタスクや迷っている時間が長ければ長いほど「集中力」と「意思は弱くなる」ということです。

 

なぜなら、ブドウ糖を消費しているからです。

 

 もうひとつ意思に関係する簡単な方法

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「おしっこ」を我慢しているときは、合理的判断をしていることを知っていましたか?

 

 なんだか笑える話ですが、この研究報告はイグ・ノーベル賞を受賞し、サイコロジカル・サイエンス(Psychological Science)という心理学の分野で権威ある雑誌に掲載されています。

 

 その内容とは、おしっこを限界まで我慢していると、ストループ課題(色や文字の実験)で様々な種類の行動制御がうまくできているという結果となりました。

 

 おしっこを我慢しているとき合理的な判断で、なおかつ最善策を考えて即座に行動するということです。どうやって、最短距離と無駄を省いてトイレに駆け込むかを的確に考えるには「システム2=理性」のチカラですね!

 

 つまり、いまこうして僕は記事を書いているのですが、おしっこを我慢した方が良い文章がかけるのかもしれません。医学的には悪影響かもしれませんし、間に合わなかったときの悲劇を想像しただけでゾッとしますよね。

 

試すときは自己責任でお願いしますw

 

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ーー情動と理性の違いについて

 

最後に軽く、情動と理性についてを書いていきます。

 

 情動とは感情のことです。先ほども述べましたが、まず人間は感情を先に感じた後に理性で制御している動物です。情動のコントロールについての研究は盛んに行なっているのですが、未だに詳しいことがわかっていません。

 

 経済は感情で動いているという報告があるくらいなので、儲かる研究課題はこぞって研究しますから、今後わかってくる可能性は高い分野でもあります。そこで、すでにわかっていることは、直感は情動だということです。

 

「直感」ってパッときますよね?

 

 つまり、理性よりも早いんです。直感を信じるかは人それぞれですが、多くの成功者は直感を信じている傾向が強いようです!

 

直感には、謎のチカラが秘められているかもしれません。

 

 まとめ

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・「感情」と「理性」は感情の方が早い

 

・ブドウ糖は「意思の弱さ」に効果的な可能性がある。

 

・おしっこを我慢すると合理的判断をすることがわかっている。

 

いかがだったでしょうか?

 

 なかなか、興味深い内容だったと思います。ちなみに、ブドウ糖は勉強のときにも補給すると良いですよ!本著作は少し専門性が高いので、読者に慣れていない方はすぐに眠くなると思いますが、興味のあるかたはお手に取ってみてくださいね!