無駄使いはやめられます。脳神経外科医が教える脳の錯覚
「無駄だったな・・・」と思う買い物の99%が脳の思い込みが原因だとしたら?
この意味深な発言をしている方は、脳神経外科医で菅原脳神経外科クリニックの院長である菅原道仁氏です。
僕も含め、サラリーマンは安月給です。このブログでは、すでに3ヶ月半で108冊の著作を紹介してきました。多くの著作には「独立しろ」「好きなことを仕事に」など書かれていましたよね?
ですが、読者さんの中には「サラリーマンでもいい」「多くを望まない」というミニマムな生活を望む方もいるかと思います。
そこで、無駄使いの仕組みと対処法を「脳」の観点から知ることができれば、生活に余裕を出すことが可能です。
その方法論を書いていきます。
【元ネタ本】
無駄使いはやめれます。脳の仕組み
買ったその時は満足。どうして、あとから「後悔」するのでしょうか?
それは「お金の使い方を知らない」からです。
お金の使い方を誰かに教えてもらったことはありますか?僕はありません。強いていうならば、自分は本を読んで学びました。日本の社会は「お金」について話すのは避けられる傾向にあると著者は語ります。
過去記事の「投資家が「お金」よりも大切にしていること」の著者藤野英人氏も同様な発言をしていたのが印象深く残っています。ちなみに、お金の話を嫌がる人ほど「お金に執着心」を抱いていると投資家の方々が言います。
まず、無駄使いをやめるには「お金の使い方」を学ぶ必要があります。
そして、私たちは「買っているのではなく」「買わされている」ことに気づくことが大事です。
ーー脳は合理的には考えない
大人の脳の重さは約1400gです。これは体重の2%ほどしかありません。一方消費するエネルギーは、1日に必要とされるエネルギーの約20%も使用しています。こんな臓器は他にありません。なのに、脳は常に省エネモードでいます。
脳は「物事を深く考えさせる」ことを嫌います。つまり、何も考えないで普段通りの生活をするよう自動的に処理しています。
だから、人は周囲に流されるのも好きですし騙されるのも好きなのです。「オレオレ詐欺」が減らないのもこのためです。この自動的に判断する「脳のクセ」を利用しない企業はありません。
テレビショッピング、新商品のCM、GoogleやAmazonの広告などすべて「脳のクセ」を利用し、気づかないうちに買わせることができます。この気づかないうちに誘導されることを心理学で「認知バイアス」と言います。
つまり、脳は深く考えるのを嫌がり自動的に処理することを望む「怠け者の臓器」だということです。
知っておくべき罠
無駄使いには8つの種類があることを知っていましたか?
まずは、自分がどのタイプに当てはまるのかを認識してみましょう。
ーー無駄使い行動の8つのタイプのうち4つを紹介
1.買い物でストレス発散型タイプ
ストレスが溜まるとつい買いすぎてしまうタイプです。特徴は、ショーウインドウに飾られた洋服を見るだけでワクワクドキドキしています。「え?これは私のためにあるんじゃない!」と思い込むタイプです。
これは、脳内物質の「ドーパミン」が報酬系回路(A10神経郡)が刺激されて快楽を覚えています。ドーパミンは一過性のものですからすぐ冷めます。買った服を開けないで放置している人や、あとから後悔する人はこの手のタイプです。
対象法はできれば3日、最低でも15分の考える時間を作ってください。ネットショッピングやオークションはこの手のタイプを狙い撃ちしてきます。
2.「とりあえずビール」タイプ
ビール好きじゃないけど「とりあえずビール」にしたり、行列についつい並んでしまうタイプです。これは心理学で「バンドワゴン効果」と言います。
周囲が良いと言っているからよく思えてくる。行列ができているから美味しい店だと錯覚する。この手のタイプはこの時点で治ります。なぜなら、それが「バンドワゴン効果」という科学的に判明した「心理」だったことをいま知ったからです。
3.「ランキング1位」に弱いタイプ
「芸能人の〇〇さん愛用」と書かれた売り文句見たことありませんか?それは「ハロー効果」を使った販売戦略です。CMを思い出してください!「売り上げNo. 1」や「人気ランキングNo. 1」「選ばれ続けてNo. 1」とたくさんのNo. 1がありますよね?
小さく「自社調べ」って記載されているので見てみてください。当たり前ですが、質問内容でアンケート結果の内容は操作できます。分かりやすいキャッチーなフレーズを使って人気あるように見せるのを「ハロー効果」と言います。
対処法は「一歩引いた視点」で見てください。「はいはい。この世はNo. 1ばかりになっちゃうね」ぐらい冷静な判断が必要です。
4.店のレイアウトが変われば「欲しい度」も変わる。
店のレイアウトは「心理研究」されています。コンビニは「同じルート」を歩きますし、買い物中に「あ、これも欲しかったんだ!」と思い出してカゴに入れる。
これが一般的に多いかもしれませんね。スーパーの入り口は野菜を置くことで色彩効果を狙い購買意欲を増加させますし、売れ筋商品の隣には付随する商品を置いたりし、ついで買いを狙います。
この対処法は「事前にメモした商品しか買わない」や「足りる金額ギリギリしか持っていかない」が良いと著者は語ります。
ーー他4つをざっくり
5.「財布にお金を入れて置くと出費も増える」正常バイアス。
6.「ビニール傘を3本以上持っていて、値引きに弱い」御知恵バイアス。
7.「高級ブランドが好き」自己顕示欲タイプ。
8.「友人が浪費家」伝染する無駄使いタイプ。
より詳しい内容は本書まで。
無駄使いをやめる方法
プロローグで「お金の使い方を学びましたか?」とお話しました。
結論から言いますと、無駄使いをやめる方法はストーリを正しく描けるかです。
具体的に説明していきます。
人はモノや体験にお金を使うとき"ストーリーを描き”ます。例えば、服を買うときに「この服なら来週のお出かけにぴったり」など具体的にストーリーを想像しますよね。このストーリーが描けていれば、金額に関係なく後悔しない買い物となります。
ー脳をダマされにくくする3つの目の付けどころ
ストーリーを描けるかがポイントだと話しました。しかし、人間は認知バイアスに流されると説明しました。つまり、正しいストーリーでなければ無駄使いになります。
1.ダメなストーリーとは、主人公が自分でない場合
「あっ!あの店員さんの服かわいい」とか「あっ!この服30%引きだ。あったら便利そう。買おう」はすべて後悔する買い物です。それは、ストーリーの主人公が自分ではないからです。「私が着ている」「私が考えて買った」これがまずポイント1となります。
2.「いつ」「どこで」「誰と」が具体的か?
ストーリーの中で、具体的な場面を描けるかがポイント2になります。派手な服を買ってもいつ着るかが不明だと無駄使いになります。反対に礼服などは場面が想像できますよね。このように「いつ」「どこで」「誰と」を自問してみてください。
3.「見栄」や「見返り」に踊らされない
自分に自信がない人ほどブランドで固めたがる心理があります。ストーリーを描くときに、「この服を着て自慢したい」や「よく思われたい」と思う気持ちは大きな出費の無駄使いとなります。あと、高価なプレゼントで気を惹くなども同様です。
他人と自分を比較するようなストーリーではなく、他人を喜ばせることができる調和的なストーリーがお金の使い方は有用だと著者は語ります。
まとめ
・脳は常に省エネモード。深く考えていないから出費がかさむ。
・知っておきたい罠は8つある。
・無駄使いをやめるには「自分が主人公」のストーリーを描けているか。
いかがだったでしょうか?
個人的にはお金はどんどん使ったほうが得だと思っています。ですが、無駄なことにお金を使っても無駄でしかないのはお分かりいただけるかと思います。より詳しいことは、本書に書かれていますのでお手に取ってみてください。