グーグルの働き方。天才が集まる会社の仕事術とは
米国でスマートスピーカーの利用人口が予想以上に拡大していることをご存知ですか?
2016年には1600万人だった利用者が2020年には7650万人に達成すると、eMarketerが発表しています。
ちなみに、米国人が一度でもスマートスピーカーを利用したことある人は9,100万人に達成し、米国の全人口の27.6%に相当すると言われています。
スマートスピーカーはAmazonとGoogleが有名です。
なぜ米国企業は革新的な開発ができるのか。元ネタ本は古いですが、ラリーとサーゲイ率いるGoogle社の当時の働き方にフォーカスし、その謎に迫っていきます。
【元ネタ本】
Googleの働き方。プロジェクトチーム
プロジェクトメンバーの最適人数は何人かご存知ですか?
それは、3〜5人だと言われています。
グーグルの働き方の特徴としても、小さなチームをたくさんつくり、それぞれプロジェクトを進めていきます。
その様子をサーゲイはこう語ります。
【本書抜粋】
僕たちはグーグルを大学みたいに運営しているんだ。
たくさんのプロジェクトがある。大体百くらいかな。三人くらいの小さなグループで小さなプロジェクトに携わってもらっている。(P75)
少人数のチーム構成の目的は、コミュニケーションを円滑にすることです。全員がいつでも直に話せる環境をグーグルは作っています。
あと、上司と部下といった序列がないのも特徴のひとつです。
ーー日本企業とGoogle社の違い
日本企業の多くは「部署」という枠組みでそれぞれの仕事をしています。
ですが、「1人の上司が、組織のすべてを把握できるのは何人か?」この大事な要素を考えていない企業が多いかもしれません。
1人の上司が把握できる人数は最大でも5人です。
これを経学で「スパン・オブ・コントロール」と呼びます。
6人を超えるとコミュニケーションに問題を感じるようになります。
日本企業が成長市場で勝てないのも、この組織運営と過去の成功体験に問題がありそうです。
このことについて、慶應義塾大学のメディアデザイン教授の石倉氏はこのように語っています。
【石倉氏の見解】
世代間断絶。
現在50〜60歳代のトップが知っている「世界」と、20歳代の若者が知っている「世界」はまったく異なっている。
一部省略
仕事を始めてから自社のブランド力など実感したことのない若い世代との断絶は大きく。話が通じていない。
日本企業は99.7%が中小企業ですが、会社トップが情弱というイメージでしょうか?
「日本企業はイノベイティブ」という過去の成功体験を捨てることができないことで、先進国の中でも周回遅れになっています。
まずは、小さなチームプロジェクトで進めることは成功要因のひとつだと著者は語ります。
Googleの働き方。20%ルール
日本人は多忙が好きだと思いませんか?
グーグルには20%ルールが存在します。
20%ルールとは、勤務時間の最大20%に自由時間があります。そもそも、人は忙しすぎると新しい何かを考える余裕をなくすと著者は語ります。
最近、副業を解禁している企業も多くなってきました。これは、素晴らしい試みだと僕は思います。
多くの人は「できる」「できない」のゼロイチ思考に陥りやすいですが、この流れはチャンスです。
【とり子氏のゼロイチ思考記事】
中小企業は変化が遅く、副業解禁もしていない企業がほとんどです。ですが、自発的にどんどん副業はやっていくべきだと僕は思います。
完璧にできる必要もありませんし、稼げなくても良いです。とにかく「自分で稼ぐ」という体験が必要です。
1日の20%を自由な時間。
自分の得意なことや興味あることに時間を割り当てる。この行為が「仕事」になる時代です。今後、企業と個人はもっとフラットな関係になっていきます。
これはチャンスでもあります。
Googleの働き方。データ判断
あなたが独裁者なら最初にすることはなんですか?
多くの独裁者は、すべての通信を断ち、人々が話せないようにし、世界をよりよくするためにどうすればいいかを考えられないようにしています。
これは2009年、ペンシルベニア大学の卒業公演でエリック・シュミットが卒業生向けての演説の一部です。
あなたの会社はいつも意見が一致していませんか?
これは要注意です。
それはなぜか?
トップや役員の「感情」や「プライド」が、先行し客観的データで判断していないこともあり、独裁者の思考に近いものがあります。
グーグルはこの間違った判断が起こりにくい環境にしています。データを徹底的に活用することで、常に正しい判断を導き出そうと工夫しているのです。
人は感情の動物です。
すべてを合理的に判断するには限界があります。
「この提案をすれば部長は怒るだろう」「会議で反対意見を言えば白い目で見られる」その発言が、客観的データを用いていて論理的であればあるほどに上司や発案者のプライドは傷つきます。
このジレンマは相当厄介で、意見を言えないのは査定に響くと社員たちが縮こまるからです。だから、会議は安パイでつまらない策に落ち着く傾向にあります。
ーー個人的意見
個人的意見とはなりますが「だから会社はダメなんだよ」と若手社員が思うのも少し違うと思います。
それは、今ある環境は上司や社長の努力の蓄積だからです。
グーグルの働き方には、確かに学ぶところもたくさんあります。ですが、それができていない会社はダメというのは少し安直な考えです。
本来考えるべきことは「どうすれば」角が立たなく、自分の意見を相手に伝えて納得してもらうかが本質。
それこそ「良い」「悪い」のゼロイチ思考でなく、グレーな視点を持つことも必要だと個人的には思います。
「愛嬌」という武器も必要ではないでしょうか。
まとめ
・グーグルのプロジェクトメンバーは少人数でコミュニケーション重視。
・自由な時間を20%確保する。
・感情論でなく客観的データで意思決定をする。
いかがだったでしょうか?
最近、社畜という言葉をよく目にする機会が増えました。この現象もネット普及がもたらした現象だと思います。ですが、現実は理想とする職場環境で働くことは難しいです。今がちょうど理想と現実の狭間の時代なのかもしれません。