人と比べる自分が嫌い。精神科医が教える争わない生き方とは?
あなたは他人と自分を比べたりしますか?
世間では勝ち組や負け組なんて呼称があったりしますが、そんなことはどうでもいいことだと話すのは、精神科医の和田秀樹氏です。
人と争うことを好まず、おだやかに、自分の進む道をたんたんと歩いていくという人はとても少ないです。登山でいうなら自分のペースを守って一歩一歩確実に登る人です。
この考え方を「自分は自分、人は人」だと著者は語ります。
ついつい人と比べては、自分に嫌気がさすことってありますよね。比べてはダメと頭では理解しているのですが、なかなか上手くいかないと思います。
そこで、どうすれば人と比べないで生きていくことができるのか。このことについて、和田氏に教えて頂きましょう!
【元ネタ本】
自分は自分 人は人 -争わない「生き方」- (WIDE SHINSHO175) (新講社ワイド新書)
- 作者: 和田秀樹
- 出版社/メーカー: 新講社
- 発売日: 2012/08/11
- メディア: 新書
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人と比べると劣等感が生まれる
あなた様はマイペースですか?
私たちは幼少期から「他人と競う」ことを教育されてきました。運動・勉強・友達が多い少ないなど、点数を付けられては親に怒られていましたよね。
他人と自分を比べると、どうしても「劣等感」がうまれます。劣等感とは、自分が他人より「おとっている」と感じることです。劣等感は「嫉妬」「妬み」「焦り」「不安」「怒り」を誘発させ、自分らしさと自信をどんどん失っていきます。
気付いたら自分のペースで努力することが出来なくなり、つい反発や背伸びをしては「自分がどれだけすごいか」を自慢話しては満たされない心をなんとか繋ぎ止めてしまいます。
しかし、だれでも本来は「他人と競う」ことが嫌いだと著者は語ります。
そして「他人と競う」ことをやめて、コツコツと事実という「1」を積み重ねてきた人こそが、私たちが羨ましいと感じる人達の正体だったのです。
ー争いは「争い好き」に任せておく
競争社会は息苦しいです。
競争社会で負けとき、頑張ってきた人達がうつ病になったり、過労死してしまうのですからなんともおかしな社会です。著者はこのことについてこのように語っています。
【本書抜粋】
むしろ競争に負けまいとしてオーバーワークになってしまい、自分のペースを守れなくなった人の方が脱落していきます。
「負けてはいけない」とか、「このままでは取り残されてしまう」といった焦りや不安に取りつかれてしまうと、できて当たり前のことをないがしろにするようになるからです。(P23)
勝ち組とか負け組という概念が、努力をあきらめてしまう要因を作っていると著者は語ります。自分はすでに「負け組」なんだから努力しても無駄だと思い込み、マイペースでやっていれば得られていたはずの幸福感や目標までも失ってしまうのです。
そこで著者はこのように助言しています。
「「争いは争い好きに任せておけ」当たり前のことを当たり前にやっていればいいんだと気付いた人が、結局は自分の人生に充実感を持つことができる」
他人と競うことで、素敵な人生を生きていけるのでしょうか。本当はマイペースが成功の鍵なのかもしれません。
読書が争いを忘れさせてくれる
あなた様は本を読みますか?
読書習慣はたくさんのメリットを与えれくれます。たとえば、ライフハッカーに「読書には8つの効用がある」という記事がありました。
その「8つの効用」とは以下の通りです。
【読書の8つ効用】
1.より賢くなれる。
2.ストレスが軽減される。
3.心をより穏やかにしてくれる。
4.論理的思考を高める。
5.語彙が増える。
6.記憶力が向上する。
7.書くスキルが向上する。
8.目標の優先づけに役立つ。
詳しくは記事を読んでいただきたいのですが、 ここにもう一つプラスされるのが、「他人と争わなくなる」です。「争うことが嫌いな人」は聞き上手な人が多いと著者は語ります。聞き上手になるためには、その分野について最低限度の知識が必要です。
なぜなら、聞き上手な人は「質問力」が高い傾向にあるからです。
ーー人と比べない人は「知的武装」している?
「人と比べない人」はマイペースで、口論も嫌う傾向にあると著者は語ります。
他人と感情的なことばをぶつけ合うことはできるだけ避けようとします。でも、他人と話すことが嫌いなわけではありません。ひとつのテーマを巡って、お互いに考えていることを語り合うのが楽しいのです。
よく政治や宗教の話題はしない方がいいと言われる理由はここにあると言えます。
どちらも人を必要以上に熱くさせてしまうし、「どちらが正しいか」という答えのない議論になりやすく、議論の勝ち負けで相手を見下す傾向にあるからです。
読書好きな人は知的武装をしているので、たとえ考えが違ってたとしても知識がカバーしてくれます。
たとえば、このブログを毎日読んでくれている読者さんは、知らず知らずに知識を蓄積しています。「あっ!そう言えば・・・」とこのように自分を冷静に戻す「ストッパー」の正体が知識にあるのです。
このことについて著者もこのように語ります。
【本書抜粋】
知識がないのに思い込みだけが強い人間だとすればどうなるでしょうか。落ち着いた話し合いにはなりませんね。
向こうはすぐに感情的になってしまうからです。(P130)
知識があるからこそ「人と比べないで争うような生き方」をしないでいられるのです。
読書には「9つの効用」があるということですね!
人の数だけ勝ち方がある
小さな負けに振り回せる人は大きな勝ちを見逃す?
「自分は自分、人は人」という考え方を持っていることで、あなた本来の「勝ち」を見いだせるようになります。
物理的な成功はわかりやすいですよね。高級外車に乗って、ブランドの服を身につけていればいいからです。しかし、本当にそれが成功なのでしょうか?
最近読んだ記事に「勤めている会社」や「年収」だけをみて婚活する女性が流行っているそうです。このような女性達は「人と自分を比べる」ことが好きな人だと思います。
この考え方を否定するつもりもありませんし、人生の勝ちかたや目的も人それぞれです。ただ、欲の強い人は大勝ちしなければ気が済まず、無欲な人は引き分けでも満足すると著者は語ります。そして、彼女たちは結婚をしても落胆すると思います。
なぜなら、必ず「上には上がいる」からです。
競争好きな人は小さな失敗ばかりに目がいき、失敗に振り回されやすく、そして「大きな勝ち」にすら気づかないでいると著者は指摘しています。
本当の幸せとは、あなた本来の「勝ち」を見いだすことなのかもしれませんね。
本著作は「11の法則」と、それに伴う80余りの技術や考え方をまとめてくれています。全編を書くことは出来ませんから、ぜひこの機会に読書習慣を身につけてはいかがでしょうか。
まとめ
・人と比べる行為が「劣等感」を生む
・知的武装には「読書」が必要
・あなた本来の「勝ち」が本当の幸せになる
いかがだったでしょうか?
競争社会と言われますが、競争するから疲れてしまうのかもしれませんね。マイペースにコツコツ続けていく重要性に気付かされた著作でもありました。詳しい内容を知りたい方は、ぜひ一度本著作をお手に取ってみてくださいね!